プロ野球と经济 pcku.kansai-.doc

PAGE  PAGE 7 プロ野球と経済 　　　プロ野球と経済 　　はじめに 　「巨人軍は、永遠に不滅です。」という昭和４９年の長嶋が引退するまでの数年間、日本のサラリーマンは、巨人が、長嶋が活躍するのを見てビールを飲み、仕事への意欲を燃やした。プロ野球で最も代表とされる、プロ野球と経済の関係があった。１） 　最近も１２年ぶりに監督として戻ってきたことにより、他のプロスポーツに押され心配されていたが、嘘のように、この長嶋巨人のおかげで、全盛時代と少しも変わらぬ注目を集めているように見受けられる。 　このような長嶋景気に負けじと、他の球団経営者も、本気で取り組み、ある程度の費用がかかっても良い試合を見せようとし、それが結果的に、プロ野球の活性化?発展そして日本人の労働意欲の活性化につながっているのである?１）２） 川上哲治　「プロ野球を１０倍おもしろくする法」 文芸春秋 １９９３年３月 p.332～p.340 「長嶋巨人が日本経済を救う」 ＴＨＩＳ ＩＳ 読売 ３（１０） 第１節　　企業イベント戦略１ 　サッポロビールが、ある企業キャンペーンを提案されたのは８３年のことだった。当時、各企業のスポーツイベントへの参画は増えていった。スポーツイベントの持つ「明るさ」、「健康的」、「スマートさ」という要素といったイメージの良さ、スポーツイベントは他のイベントと比べて、共感が得やすいと企業側から判断する傾向があった。３） 　７９年の「レジャー白書」によると、野球人口は２，４９９万人? プロ野球の観客動員データを見ても確実な層を持っていることが分かっていた。その層とビール愛好家はどう結びつくか。８２年の調査でビール愛好家が好きなテレビ番組が「プロ野球中継」だということがはっきりしていた。３） 　これを機に、サッポビールとプロ野球との結びつきは深まり、次々と関連イベントが展開されていった。 ３）石井 清司「日本プロ野球コンベンションに至る道のり」 宣伝会議 １９９３．２ 第２節　　企業イベント戦略２ 現在に至るサッポロビールとプロ野球の結びつきの深さは、どのような歩みによったものだろうか。 サッポロビール協賛の「夢のスーパースターゲーム」により観客動員数、テレビの視聴率をあげたということや、サッポロビールが８９年に「ドラフトビール」を全面に打ち出した時は、プロ野球ドラフト会議をイメージしたということなどがある。３） 　消費者ニーズは多様化する一方の中で、同社は「戦略商品」を増やし、各商品ごとの機能訴求広告、生ビールの品質と技術の優位性訴求広告も多彩に展開していった。よってイベントなどの規模も拡大し、多くの利益を上げ、サッポロビールは激化する生ビール戦争の中で着実にシェアを伸ばしてきた。３） 　これらの企業姿勢をわかりやすく訴求していくのに、よりどころとなるビックイベントの必要性が考えられ、商品広告とは別に、他の観点から各商品を貫く企業姿勢を明確に打ち出すことがすすめられた?３） 　３）石井清司「日本プロ野球コンベンション協賛に至る道のり」　宣伝会議　１９９３年２月　p.124～p.12 第４節 スポーツ用品会社 現在、プロ野球選手だけでなく、大学生や、高校生までもが、ある企業のグラブやスパイクを使用するだけで、その企業の宣伝をしているわけである。 かつてプロ野球選手のスパイクシューズはすべて黒一色であった。各選手が球団出入りの運道具店か、スポーツシューズ屋に頼んで作ってもらっていた４）がここ十数年ですっかり変わってしまった。赤、白、青と色がカラフルになり、さまざまなラインが入っていてすぐにメーカーも分かる。 テレビで映されれば、デザインもすぐ記憶される。いわば、プロ野球選手は動く広告塔なのである。 昭和４８年のオールスター後から、白いラインのスパイクが使用され、テレビ、新聞、雑誌での宣伝効果に各メーカーが目を付け、始まった各メーカー同士の競争がここ十数年間なのである。４）　選手は野球をする一方、一瞬で何百万の家庭を訪問する有能なセールスマンなのである。 今、メーカーは高校の段階からアプローチをかけ、一流の選手に使ってもらい商品をよく見せたりしている。この様に選手が使用するだけでも大きな宣伝となり、企業の利益をもたらす役割を果たしているのである。 ４）海老沢泰久「球界裏の攻防」 野球とジャーナリズム 電車などで、派手な見出しのスポーツ新聞を読んでいる人をよく見かける。東京では朝?夕刊合わせて７種類もの日刊のスポーツ新聞が出回っているという。 野球とスポーツ新聞の関係に目をつけてみると、スポーツ新聞が売れに売れたのは、昭和３３年、長嶋が